【走行レポート】 Great Central Road -Australia-

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Great Central Road 

西オーストラリア(WA)のLavertonからノーザンテリトリー(NT)のYularaまで続く全長1145km、その内90%以上がオフロードの4WDトラック。実際に走ってみて、自転車でも食料と水を積むキャパシティさえあれば決して楽ではないが走破は出来るレベルです。秋から冬にかけてはオージーのチャリダーはたまにいるみたいですが、日本語では情報が出ていないのでここでレポートします。

 

 

Where

WAからエアーズロックまでショートカットして行ける道で、パースからナラボーを越えてスチュアートHWYを北上するよりかなり近道。Kargoorlieから北上してLeonoraから東へ向かうとLaverton。パースから約1000km。

 

When

水の補給を考慮すると、夏場はかなりの量の水が必要になるので避けた方が良いでしょう。6月は晴れた日中は20℃、夜は5℃ぐらいまで冷え込む。自転車で走るには最高の気候で、夜は焚き火で暖をとって快適に過ごせるでしょう

 

Distance

・Laverton-Tjukayirla roadhouse 311km

・Tjukayirla roadhouse-Warburton roadhouse 246km

・Warburton roadhouse-Warakurna roadhouse 227km

・Warakurna roadhouse-Docker river community 101km

・Docker river community-Lasseters cave rest area 40km

cave rest area-Kata tjuta 140km

・Kata tjuta-Yulara 50km

 

数キロの誤差はあると思うのであしからず。

 

Time

風向きと天候で大きく変わってくる。
WAではほとんど追い風か無風で、NTでは五日間、割と強い向かい風に吹かれ続けた。これでウルルまで16日。パースからは休みなしで28日かかった。

 

Road

東に向かう場合、道は次第に悪くなる。一日100km走れる事もあれば35kmしか走れない日もあった。路面状況や天候にも左右されるが、やはり一番影響を受けるのは風向き。追い風と向かい風では走れる距離は倍ぐらい違ってくる。

 

・Laverton-Tjukayirla roadhouse 
良好。Lavertonから400kmぐらいは固く締まった道で粗めのアスファルトの道と変わらない走りが出来る。コルゲーションや砂利はあるが、平らな部分を探しながら走れる。

・Tjukayirla roadhouse-Warburton roadhouse 

Tjukayirlaの東75kmあたりから砂利とコルゲーションが多くなる。Warburtonの西側に30kmほど舗装された道がある。

・Warburton roadhouse-Warakurna roadhouse 

次第に道は悪くなり大きめの砂利も増えてくる。

・Warakurna roadhouse-Docker river community 
悪路。砂が増えてタイヤがはまって走れない場所がちらほら。雨が降るとぬかるみができてなかなか進めない。特にWA/NTのボーダーを越えてからが砂が深くなる。Docker riverの入口に5kmほど舗装された道がある。

・Docker river community-Lasseters cave rest area 
悪路。雨が降っていたせいもあるが最悪の区間だった。砂浜を走ってるようでまともに走れずほとんど歩いた。土が粘土質じゃ無いだけまだマシだったかもしれない。一日の走行距離は最短の35km。
・Lasseters cave rest area-Kata tjuta 
悪路。Kata Tjutaまで大きな砂利、コルゲーション、深砂と悪路要素のフルコース。天気が良ければ一日60kmぐらいは走れる。

・Kata tjuta-Yulara 50km
舗装路。Kata Tjutaからはアスファルトの道になる。だだし観光客の車やバスが多いので注意。

 

Water

上に書いたそれぞれの区間が水を補給できるポイント。但しLasseters caveはウォータータンクがあるだけで、もし空っぽだったり蛇口が壊れてるとかだった場合どうにもならないので過信は危険。実際は車のキャンパーやアボリジニ達が心配してよく声をかけてくれるので、水が無くなってのたれ死ぬとかは無い。でもそれは緊急の手段として、必要な水は自分で運びましょう。
僕の場合一日3リットルの計算で、予備で一日か二日分持つようにした。最高で14リットルぐらい。

 

Food

水を補給できるポイントの内、Lasseters caveとKata tjuta以外は品揃えの差はあるものの一応お店はある。
・Laverton 郵便局の裏にスーパーがある。値段は通常料金。
・Tjukayirla 品揃えは一番悪い。冷凍の食パンとトマト缶とスパゲティを買った。値段は町の倍以上。
・Warburton 野菜も売っていてまあまあの品揃え。値段は町の倍以上。
・Warakurna Warburtonより若干少なめの品揃え。値段は町の倍以上。
・Docker river 町の小さいスーパーという感じ、但し値段は町の倍以上。
・Yulara 何でも揃うけど大型スーパーよりは少し高め。

まるで富士山の山小屋みたいで、自分で運ぶのが嫌なら高くてもロードハウスのショップで買うしか無い。食費以外にお金を使うことが無いので躊躇なく買いまくった。

 

Camping

キャンプ場は各ロードハウスにあって、テントサイトで15-20ドルぐらい。Docker riverの西3kmに無料のキャンプ場があるが設備は無し。ブッシュキャンプは一応道から見えないように木の陰あたりでするようにしていた。この道は二つの砂漠の間を通っていて、高い木なんか生えてないと思っていたけど意外とどこまで行っても木は生えていて焚き火にも困ることは無い。

 

Encounter

出会う車は四駆のキャンパーや地元のアボリジニ達が殆どで、一日に少ない時でも20台ぐらいは出会う。みんな心配してわざわざ止まってくれて、大丈夫か?と声をかけてくれた。アボリジニ達も素朴でいい人たちばかり。期待もしてなかったけど、チャリダーは1人も出会わなかった。

 

Gear

寝袋  内陸の夜はかなり冷え込む日もあって、Comfort 0°Cのもので丁度いいぐらい。
・トレーラー  今回初めて装備したサイクルトレーラー。こいつのおかげでだいぶ快適な旅になった。
・タイヤ  フロントは1.95インチ、リアは2.10インチのブロックタイヤ。

 

Permit

この道は正式には各州が発行するパーミットが必要らしいが、どうやって取得するのかわからなかったのでパーミット無しで入った。実際はチェックポストなどは無く、パトカーともすれ違ったけどお咎めなし。むしろ親指立てて去っていった。

 

 

最後に

果てしなく続く赤土の道。景色は何日走っても変わらず、道中特に見所があるわけでも無い。こんなところをひたすら走り続けて正直楽しいと感じる事はありませんが、特別な経験が出来る事は確かで、とにかく少しでも前に進んで確実にウルルに近づいているという事実に喜びを感じながら走っていました。Lavertonを出て15日目、道の先にカタジュタの雄姿を見た時は全身鳥肌もんです。

オーストラリアをラウンドしたりナラボーを横断する気合があれば充分越えられる道で、これからオーストラリアを自転車で旅しようと思っている人はこのルートも視野に入れて欲しいと思うオススメルート。

後日 'Great Central Road Photo gallery" もアップするのでそちらもチェックしてください。

 

@Alice springs
Written&photo by Ryoichi